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て改めて考えたい。
(1) 被災地の復興を先導するシンボル・プロジェクト
兵庫県では、阪神・淡路大震災の教訓をもとに、防災、福祉など21世紀の人類の課題、新しい社会システムのあり方などについて世界に情報発信していこうとしており、都市化に伴う健康問題をテーマとするWHO神戸センターの活動は正にこうした考え方に沿うものである。センターにおいては、既にシンポジウムを開催するなど活動を開始しているが、参加者からは「災害救援に関する情報センター」になることを期待されるなど、被災地に立地する特性を活かした神戸からの国際的な取り組みにふさわしいものになるものと期待している。
また、神戸市東部新都心のまちづくりに当たっても、国際的な研究・業務ゾーン形成の核として大きな役割を果たしており、今後は、地元としても関連機関の集積を一層進め、周辺立地施設との連携など新しい研究ネットワークがこの街に形成されるよう環境づくりに努めることが必要である。
(2) 国際交流、国際協力の推進
地球規模の人的交流や情報化が進んでいる今日、世界の国々が置かれている状態を理解することは、世界の人々と共に生きていく上で不可欠なことである。
特に、一国の健康状態は、その国の社会、経済等の活動の総和として表れるものと言え、シンポジウムやインターネットによる情報提供などセンターの活動を通じ、県民が世界的な健康問題に関する情報に触れ、関心を高めたり、人的交流が促進されることは、世界を理解し、地域の国際化を進める上で有意義なことである。
また、快適な都市環境の中で国連機関が活動を続け、情報を発信し続けることは、その都市自体の評価を高め、国際コンベンション都市づくりの促進などにも効果を期待できる。
(3) 情報発信機能の強化
センターの活動は広く世界を志向したものであるが、そのテーマは地元や日本にも大いに関係の深い問題であり、センターに集められる世界中の健康に関する経験と情報は、地元、日本にも利益をもたらすものである。
WHOの情報は公開されており、センターにおいても既にホームページを開設し、WHO本部のデータベースを含む各種情報を提供しており、よりアクセスの容易な環境づくりを行っている。地元においては、こうした情報提供のPRを行うと共に、新しい施設移転時には、住民や外部の研究者等がより利用し易い環境を整えたいと考えている。
また、センターの研究活動の本格化に伴い必要となる都市の健康情報の提供や地域の研究機関が研究ネットワークに参加することなどを通じ、地域との連携を深めていきたい。

 

 

 

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